2025年11月7日金曜日

10/25読書会( ボランティアフェスタ振り返りと皆で話したこと)



賑々しく終わった10/11のボランティアフェスタ

色々な出会いもあり懐かしかったり楽しかったりした。
10/25の読書会では皆で当日の映像などを見ながら、色々、思い出し共有した。
( つくば市民活動のひろば より)
ブースに寄ってくださった方の記録をしっかりとっておくべきだった。あれほど、参加できなかったメンバーに伝えようと思っていたのに記憶はすぐにちょっと曖昧になっていた。次回、もし参加するときには必ず記録を忘れないようにと思った。

意外だったのは、最後の閉会式。それまで主にそれぞれが自分たちのブースにいて他のブースの人達と話したりもほとんどしていないのに、最後にそこで出会い「お疲れ様でした!」の言葉にぎゅーと真ん中に向かって集まり記念撮影をした瞬間に(?!)不思議な一体感があった。「終わった!」という安堵感と達成感みたいなものを皆で共有した。久しぶりの体験だった。理屈じゃ説明できないけど、そう感じた。参加してよかったと思う。

読書会で皆で話したこと・・テキストは読まなかったが。

●初めての女性首相について
 ・なぜ名誉男性と言われるのか?
 ・初の女性首相に何を期待できるのか?その主張はどうなんだろう?
 ・女性だからいいと言えるのか?第一歩なのか?

●子どもの時の科学者のイメージは、アインシュタインなど男性の科学者だったように
自分の中にも”アンコンシャスバイアス”があったと思う。
 
●女性科学者で最も有名なノーベル賞学者のキュリー夫人がいるが、この”夫人”って何だ
ろう?
 ・考えたこともなかったが、マリーキューリーではなくキューリー夫人という名前で覚え
ていた。夫のピエールキューリーの妻を意味する”夫人”という言葉がセットで彼女の名前を表現していたことに驚いた。ピエールキューリーをマリーの夫と言う敬称はないのに。
 ・気が付かずに多くのアンコンシャスバイアスが自分の中にも存在していることに気づいた。
 ・ジェンダー視点で女性の科学者等を学ぶ「漫画やこども向けの絵本」もあるという。

●上野さんが書いていた”リベラルリズムとフェミニズムは相いれない”ってどういうことなんだろうか?ネオリベでなくリベラリズムも?

 ”ネオリベと違ってリベラリズムは、個人の人権・自由の尊重ではなかった?どうして
フェミニズムと相容れないのかよくわからない気がする”

 ”資本制と家父長制でも書いてあったように思うんだけど、でもよく思い出せない。やっぱりしっかり理解してなかったみたい・・・”

 ”リベラリズムのいう個人とは、カントの言うところの個人(abstract individual)でそれは身体を持たない個人→理念上の人であり、フェミニズムでは、この理念上の個人現実の人間身体性や社会的・関係的側面を排除していると批判されている・・・” 

などと話は広がり、ときには少し難しいこともあるが、ちょっとした疑問から、誰かがいつもヒント(たいていの場合)をくれ、更に考え、学びがあることに感動を覚える。


次回の読書会は、

11月29日(土)午後1時半から午後4時

場所: コリドイオ 社会貢献活動支援室
テキスト:「上野千鶴子がもっと文学を社会学する」p234~


*見学をご希望の場合は、どうぞ事前に下記のメールアドレスにご連絡をお願い致します。

 上野千鶴子を読む会 uenoreading2012@gmail.com 





 

2025年10月17日金曜日

10/11 ボランティアフェスタ開催(1)

雨の中でのボランティアフェスタ

あいにくの雨の中での開催だった。外に出展するブースでは雨に濡れた机などを皆で抱えて運び入れていた。
私たちも早めに着いたつもりだったが、会場に入ると、昨夕、パネルにセットしたポスターがテープが弱かったのか落下していて慌ててしまった。

気づくと開場前の市長の各ブース訪問も始まった。私たちのブースにも回ってきたので「掲示が落ちてしまって。。。」と伝えると「大丈夫です。手伝いますよ」とフットワークよく貼り直してくれた。その後、展示していた本を手に取り記念撮影、次のブースに向かって行った。
開場間近だが、なんとか間に合った。思っていたより準備に時間がかかってしまった。

出会えた人々と言葉

「上野千鶴子を読む会」を尋ねてくださった方々の言葉はとても貴重だった。偶然の訪れだったり案内等を見ながら探しに来てくれた人たちもいた。今、印象に残っていることを少しだけ。

” 1年半ほど前につくばに越してきて、また半年後には引越しが決まっている” 女性が、「つくばはリベラルなところとイメージしていたけど、実際に暮らしてみると案外、そうでもないところがあり違和感を感じていた。今日、つくばにもこういう場があったことを知りホッとした」と嬉しそうに話してくれた。そう感じる現状や理由もわかる気がする。

”「WANのサイトでこの読書会の存在を知った” ジェンダーサークルの学生さんたちがこの読書会に来てくれた。同じつくばにいてもも互いに出会うことはなかなか難しいが、でも会えた人たち。思わずいろいろ質問攻めしてしまった。このフェスタに参加して良かったと思った。

2つのパネルは、読書会からの言葉と内閣府男女共同参画局の公表データ

自分の好きな、自分を支えている言葉を皆、思い起こした



”パネルに表示していた内閣府のデータ” が「日本のジェンダー不平等」の状況を示していることについての拙い説明を聞いていた男性から

「隣のポスターに書いてある言葉が ”読書会のポスター” で、このデータは別の団体のなんだね。読書会とこのデータは関係ないでしょ?」と言われた。

「同じく両方とも私たち読書会のパネルです。上野千鶴子は社会学者ですから彼女の本にはこういった現状を示すデータは結構、出てきますし、読みながら私たちも学びます。」と説明しながら上野さんの名前を知っていても理解の仕方はいろいろあると知った。  

タロットカードも使って

手作りタロットカードをきっかけにブースを訪れ、そこから本の
話が弾んだり、興味を持っていろいろ、お話したこともあったようだ。
また、そうではなく”占い?違うの?” と少しだけがっかりした方もいらしたとか。

ハロウィンの季節でもあり楽しめる雰囲気を

”パネルに表示していた内閣府のデータ” が「日本のジェンダー不平等」の状況を示していることについての拙い説明を聞いていた男性から、
「隣のポスターに書いてある言葉が ”読書会のポスター” で、このデータは別の団体のなんだね。読書会とこのデータは関係ないでしょ?」と。
両方ともこの読書会のパネルです。上野千鶴子は社会学者ですから上野さんの本にはこのような社会の現状を示すデータは結構、出てきますし、読みながら私たちも学びます。」と説明しながら上野さんの名前を知っていても理解の仕方はいろいろあると知った。

 手作りタロットカードは、結構、素敵な仕上がりだった




どんな本がオススメですか?


次回の読書会は、

10月25日(土)午後1時半から午後4時

場所: コリドイオ 社会貢献活動支援室
テキスト:「上野千鶴子がもっと文学を社会学する」p234~


*見学にいらっしゃる場合は、どうぞ事前に下記のメールアドレスにご連絡をお願い致します。

 上野千鶴子を読む会 uenoreading2012@gmail.com 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(参考にした資料等のURL)

https://www.gender.go.jp/research/pdf/joseikatsuyaku_kadai.pdf

女性活躍・男女共同参画の現状と課題


https://www.city.tsukuba.lg.jp/material/files/group/32/isikityousa.pdf

つくば市男女共同参画市民意識調査(2023)


内閣府男女共同参画局白書概要版(R7)

男女共同参画に関する国際的な指数

人生 100 年時代の結婚と家族に関する研究会 議論の整理から





2025年9月27日土曜日

2025/10/11 ボランティアフェスタ参加に向けて

参加へのお誘い

今年の7月ごろ、いつも会場として使用している公共施設の担当職員さんから「このイベントに参加しませんか?」とお誘いを受けた。
私たちはこの読書会をボランティア団体という認識はなかったのでちょっと意外に思った。

皆で参加について話しながら、いろいろ悩ましい思いと少し心配もあったが、最終的には「参加した方がいいかな〜、せっかくのお誘いなので」と参加することとした。

初めてのイベント参加

この読書会が始まってから13年になるが、ずっと読書を通して意見交換をするというスタイルで、上野千鶴子やフェミニズムに関心のある人たちにオープンな場をというのがコンセプトだが、WANの活動団体に登録している以外は、読書会としてイベントなどに参加することはなく、気がつくと外向けのイベント参加は初めてとなることに気づいた。

参加団体として活動をアピール?体験活動?

実は、展示参加だけと申し込んだもののどうしたものか考えてしまった。
活動を紹介する展示をしたり体験してもらうと言っても、参加者と一緒に人の出入りのある少しざわざわしそうな会場で皆で本を読んだりするのは難しいなあとか、読んでる本リストをパネルに貼るだけではどうなんだろう?などと皆で考えながらどうしたものか悩ましかった。

ジェンダー平等にはまだまだ遠い現状を共有する?

これまで国レベルでは、女性差別撤廃条約、男女雇用機会均等法、男女共同参画基本法とまだまだ課題はあってもある程度の法律や制度が整備されてきたことと現状とのギャップなどをデータを使って示すのはどうか?


また、身近な地域おいても男女共同参画条例の制定までのすんなりといったわけではないエピソードや厳しい歩み、基本計画、意識調査などを踏まえて、何がどう変わってきたのか、変わっていないのかなどを炙り出せればと考えた。しかしデータを読み解くのは難しい。

実際の展示内容について決定

1団体2枚のパネルという中で、最終的には、なんとか決まった。

一つのパネルには、読書会の紹介として、読書を通してメンバーがそれぞれ大切にしている言葉を一つずつ選び、印刷ではなく文字として書くことと、もう1枚のパネルには、主に内閣府等の調査報告などからいくつか気になるデータを選び示すこと。

スタンプラリー用に

もう一つ準備が必要だった。参加者に各ブースを回ってもらうためにスタンプラリーの企画がありその対応を考えなければならなかった。昨年の例では、当日は、福祉体験を子供たちに体験させたい子ども連れの家族が多かったということだった。こどもに上野千鶴子を読む会をどう紹介すればいいか?

話をしながら素敵なアイディアが出てきた。子どもたちも楽しめるような楽しい感じで「タロット占い風のカードでジェンダーに関するアンコンシャスバイアス体験するのはどうか?」となった。色々な自治体でアンコンシャスバイアスをチェックするシートは出ているが、もっと楽しいゲームのということでそのカードを作ってくれることになった。色々なアイディアが出てくる!すごい!せっかくだから楽しもう。


(参考)

https://www.city.tsukuba.lg.jp/material/files/group/32/isikityousa.pdf

つくば市男女共同参画市民意識調査(2023)


内閣府男女共同参画局白書概要版(R7)










2025年1月25日土曜日

2025年1月読書会[「文学をもっと社会学する」 

「東アジア儒教圏の負け犬たち」酒井順子(p117〜)


「文学をもっと社会学する」は ”一冊の本の中で30冊以上の文学を社会学する”という方法でそれぞれを紹介しながら上野さんが分析してコメントをしていく書なので、一冊の本でたくさんの本を読むような楽しさがある。

今回の酒井順子の「東アジア圏の負け犬たち」(p 117〜)はいつも以上に、皆でゆるく読書を進めたからか、あまり進まなかった。たった6ページだけしか進まなかった。内容がかなり面白く皮肉も効いていた。

儒教圏の韓国・中国・日本の比較というよりも、実際には「ソウル」「上海」「東京」での比較調査だったようだが、とても興味深い内容で是非、本書を読みたくなった。

酒井順子の言う「負け犬」の(漢字の)訳語が面白い。

韓国「老処女」、中国「余女〜少し前までは大齢女性」。台湾では「敗犬女王」。漢字は色々、意味を想像させ深い。

日本は中国からきた「儒教」をタテマエとホンネで平然と使い分けてきたことが過去の記録などでも分かっているという。そして今にも続く。

書の中のデータが示す「要求力も拒否力も低かった東京負け犬」が見えるようだ。

2024年8月24日土曜日

これまでこの読書会で読んできた本を思い出す

さて、みんなで次は何を読む? 


最初に取り上げたのは、対談形式で割と読みやすい『上野さん、勝手に死なないでください』でした。

最初は、新作から

その後は、メンバーで相談しながら何を皆で読むか決めていきました。今、思えば出版して割と間もないような話題の本から、読んでいったようでした。

『ケアの社会学』のような大作も皆で挑みました。”当事者主権の福祉社会へ”というテーマで書かれ、それまでの上野先生の集大成のような本ででした。本の厚さにも少しためらいながら読み、その中で突きつけられた課題から関心が足元にも及び、関連のある施設見学にも伺いました。
さらに話題のベストセラー『おひとさまの老後」「おひとりさま男道」と続けて読みました。時には上野さん以外の本も選び、エッセーや対談集なども楽しみました。


選ぶ視点が古典に向かう

本を選ぶにあたって系統だてて計画的に決めていたわけではないので、こうしてしばらく、出版されてからあまり時間の立っていない本が続いたあと、少し時代を遡り、上野さんの古典とも言える本を読むようになりました。「女縁を生きた女たち」から「ナショナリズムとジェンダー」などと上野理論の基盤となるような著作へも広がりました。

3年かかって『家父長制と資本制』ついに読了 

20202月から丸3年、2023年2月、ついに読み終えることができました。読み終えたことがひどく嬉しかった。使われている言葉の意味から始まり、また引用文献も多く、ただ、読むだけでもとても長い時間を要しました。

だからこそ、読了後は自分はまるで資本制も社会の仕組みやその理由をも全て理解できたような気になっていたのを覚えています。
みんなといっしょに高い山の頂上まで登ることができたような達成感と解放感に包まれました。

2012年から今まで、今、その読んできた本とその背景などを思いだすと、そこになんとなく一つの流れがあるような気がして不思議な気持ちになります。

2024年2月4日日曜日

2024/2月の読書会「次のテキストは何?」

カフェサッフォーを会場に読書会


カフェの壁には、今年のバナーがあった。
「政治的な手芸部(グループ山姥)」の今年のバナーのテーマの”尊厳”モチーフの刺繍を見せてもらった。テーマの花ことばのイメージからの刺繍はとても細かく綺麗だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b6389fd197366df451a78f39fe0ba1052f7a5b69


カフェでコーヒーを飲みながらというのはなんともゆったりとした時間になる

これまで読んできた「フェミニズムがひらいた道」を先月(2024/1月)に終え、まだ決まっていない次の本を決めることになっていた。何冊かを検討しながら”次のテキストは?’’から今日の社会の課題などへと話はどんどん発展した。 

・別姓の家族を理解できない学校や苗字が違う家族を理解できない先生たちや役場の人たちもまだまだいること。多様性を求める社会は、絵に描いた餅のまま!根深い不理解。

・地域によっては「進学校に行かせたくない親がマジョリティ」の話。これまでもあった長男等に家業等を継がせるためや単に親の近くの地元に残るように勉学に興味と意欲を持っていても進学校に行かせたくない親。教育虐待の対極にあるようで実は同根かもしれない・・・

・教育を制限することは、こどもたちを次世代を地域に残す戦略なのか?そのことで、地方から都市への人口の流出や人口の集中はないというのか?

色々、皆で考させられた。

格差は却って広がる社会となって「親ガチャ」などと称される社会に向かっているのだろうか?

フェミニズムが目指す〜

「弱者が弱者のままで生きていける社会」にはどのようにして手が届くのだろう?

そして次回からのテキストは?


2023年8月28日月曜日

 初めてのブックカフェでの読書会(2023年8月)

市『男女共同参画社会基本条例』制定時の頃の話を当事者から聞く 

 国内でも、昭和 60(1985)年 「女子差別撤廃条約」批准、同年、「男女雇用機会均等法」成立、そして平成 11(1999)年 「男女共同参画社会基本法」施行となり、”地方でも条例制定を”と言う機運が高まってきていた。
そして平成16(2004)年、つくば市男女共同参画社会基本条例は制定された。

市の女性懇話会(1996)→グループで活動

話をしてくれた一人は、当時、市の担当課から出席を要請され、市民による「つくば市女性懇話会」に出席した。参加していたのは、市内で様々な分野で活躍している錚々たる女性たちだったという。そしてその集まりをきっかけに、一つの「男女共同参画を考えるグループ」としての活動が始まった。

「女子差別撤廃条約」の冊子作り→啓発活動へ

そのグループでは、男女共同参画を推進するために「女子差別撤廃条約」をわかりやすく伝える為にたくさんのイラストを入れた冊子をメンバーで研究しながら作成し、アジア女性資料センターの助成金も得て発行した。この冊子を使って啓発活動を行い、小学校にもこの冊子を持参して子どもたちに話をする活動も行ったり、署名活動なども積極的に行った。その積極的なフットワークのよい地道な活動に驚かされた。

 条例制定へ(平成16年2004)

しかし全て順調に活動が進んだわけではなく、当時、市には男女共同参画に反対する論客やそのグループもあり啓発活動を行う中で、反対派が机を叩いたり大声を出しての反対表明をする場面にも遭遇したことも話してくれた。バックラッシュの嵐が全国で吹いていたのを思い出した。


*参考(男女共同参画条例・ジェンダー平等条例の各自治体状況)http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/147_gender.htm



いつもと違うブックカフェでの読書会

初めてのブックカフェでの読書会に私は少しだけドキドキしていた。初めての場所で「男女共同参画社会基本条例時のお話コーナー」もあり、どうなるかな?と少し取り越し苦労をしていた。
しかし実際にはいつものように始まり、むしろコーヒやデザートなどもいただきながらのリラックスした会だった。オーナーの優しい気遣いで、カフェを訪れていた学生さんが途中から参加してくれるという意外性のある素敵な楽しい読書会だった。