2024年8月24日土曜日

これまでこの読書会で読んできた本を思い出す

さて、みんなで次は何を読む? 


最初に取り上げたのは、対談形式で割と読みやすい『上野さん、勝手に死なないでください』でした。

最初は、新作から

その後は、メンバーで相談しながら何を皆で読むか決めていきました。今、思えば出版して割と間もないような話題の本から、読んでいったようでした。

『ケアの社会学』のような大作も皆で挑みました。”当事者主権の福祉社会へ”というテーマで書かれ、それまでの上野先生の集大成のような本ででした。本の厚さにも少しためらいながら読み、その中で突きつけられた課題から関心が足元にも及び、関連のある施設見学にも伺いました。
さらに話題のベストセラー『おひとさまの老後」「おひとりさま男道」と続けて読みました。時には上野さん以外の本も選び、エッセーや対談集なども楽しみました。


選ぶ視点が古典に向かう

本を選ぶにあたって系統だてて計画的に決めていたわけではないので、こうしてしばらく、出版されてからあまり時間の立っていない本が続いたあと、少し時代を遡り、上野さんの古典とも言える本を読むようになりました。「女縁を生きた女たち」から「ナショナリズムとジェンダー」などと上野理論の基盤となるような著作へも広がりました。

3年かかって『家父長制と資本制』ついに読了 

20202月から丸3年、2023年2月、ついに読み終えることができました。読み終えたことがひどく嬉しかった。使われている言葉の意味から始まり、また引用文献も多く、ただ、読むだけでもとても長い時間を要しました。

だからこそ、読了後は自分はまるで資本制も社会の仕組みやその理由をも全て理解できたような気になっていたのを覚えています。
みんなといっしょに高い山の頂上まで登ることができたような達成感と解放感に包まれました。

2012年から今まで、今、その読んできた本とその背景などを思いだすと、そこになんとなく一つの流れがあるような気がして不思議な気持ちになります。

2024年2月4日日曜日

2024/2月の読書会「次のテキストは何?」

カフェサッフォーを会場に読書会


カフェの壁には、今年のバナーがあった。
「政治的な手芸部(グループ山姥)」の今年のバナーのテーマの”尊厳”モチーフの刺繍を見せてもらった。テーマの花ことばのイメージからの刺繍はとても細かく綺麗だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b6389fd197366df451a78f39fe0ba1052f7a5b69


カフェでコーヒーを飲みながらというのはなんともゆったりとした時間になる

これまで読んできた「フェミニズムがひらいた道」を先月(2024/1月)に終え、まだ決まっていない次の本を決めることになっていた。何冊かを検討しながら”次のテキストは?’’から今日の社会の課題などへと話はどんどん発展した。 

・別姓の家族を理解できない学校や苗字が違う家族を理解できない先生たちや役場の人たちもまだまだいること。多様性を求める社会は、絵に描いた餅のまま!根深い不理解。

・地域によっては「進学校に行かせたくない親がマジョリティ」の話。これまでもあった長男等に家業等を継がせるためや単に親の近くの地元に残るように勉学に興味と意欲を持っていても進学校に行かせたくない親。教育虐待の対極にあるようで実は同根かもしれない・・・

・教育を制限することは、こどもたちを次世代を地域に残す戦略なのか?そのことで、地方から都市への人口の流出や人口の集中はないというのか?

色々、皆で考させられた。

格差は却って広がる社会となって「親ガチャ」などと称される社会に向かっているのだろうか?

フェミニズムが目指す〜

「弱者が弱者のままで生きていける社会」にはどのようにして手が届くのだろう?

そして次回からのテキストは?


2023年8月28日月曜日

 初めてのブックカフェでの読書会(2023年8月)

市『男女共同参画社会基本条例』制定時の頃の話を当事者から聞く 

 国内でも、昭和 60(1985)年 「女子差別撤廃条約」批准、同年、「男女雇用機会均等法」成立、そして平成 11(1999)年 「男女共同参画社会基本法」施行となり、”地方でも条例制定を”と言う機運が高まってきていた。
そして平成16(2004)年、つくば市男女共同参画社会基本条例は制定された。

市の女性懇話会(1996)→グループで活動

話をしてくれた一人は、当時、市の担当課から出席を要請され、市民による「つくば市女性懇話会」に出席した。参加していたのは、市内で様々な分野で活躍している錚々たる女性たちだったという。そしてその集まりをきっかけに、一つの「男女共同参画を考えるグループ」としての活動が始まった。

「女子差別撤廃条約」の冊子作り→啓発活動へ

そのグループでは、男女共同参画を推進するために「女子差別撤廃条約」をわかりやすく伝える為にたくさんのイラストを入れた冊子をメンバーで研究しながら作成し、アジア女性資料センターの助成金も得て発行した。この冊子を使って啓発活動を行い、小学校にもこの冊子を持参して子どもたちに話をする活動も行ったり、署名活動なども積極的に行った。その積極的なフットワークのよい地道な活動に驚かされた。

 条例制定へ(平成16年2004)

しかし全て順調に活動が進んだわけではなく、当時、市には男女共同参画に反対する論客やそのグループもあり啓発活動を行う中で、反対派が机を叩いたり大声を出しての反対表明をする場面にも遭遇したことも話してくれた。バックラッシュの嵐が全国で吹いていたのを思い出した。


*参考(男女共同参画条例・ジェンダー平等条例の各自治体状況)http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/147_gender.htm



いつもと違うブックカフェでの読書会

初めてのブックカフェでの読書会に私は少しだけドキドキしていた。初めての場所で「男女共同参画社会基本条例時のお話コーナー」もあり、どうなるかな?と少し取り越し苦労をしていた。
しかし実際にはいつものように始まり、むしろコーヒやデザートなどもいただきながらのリラックスした会だった。オーナーの優しい気遣いで、カフェを訪れていた学生さんが途中から参加してくれるという意外性のある素敵な楽しい読書会だった。

2021年9月2日木曜日

読書会10年目(2021/4)に「家父長制と資本制」1年

2021年、読書会も10年目を迎え、上野さんの講演会もあった年。

10年目に入った読書会

2012年に始まった月一回開催のこの読書会も細々と続いていて、気がつくと10年目に入っていた。「継続は力なり」という言葉が頭の上の方で聞こえてくるような気がすることがある。

上野さんの講演会(2021/1/ 16)「家族という名の呪縛」

今年の1月にコロナ禍でオンライン開催になったが、この地で再び、上野千鶴子氏の講演会があった。元々、2012年の上野さんの講演会をきっかけに,この読書会は始まったので感慨深い。

そして今回の講演会後もこの読書会に新たに加わったメンバーもいて、すごく嬉しかった。この会が続いていてよかった!と思う。

「家父長制と資本制」を読み始めすでに1年

2020年2月から今も「家父長制と資本制」を読んでいる。コロナ禍でのお休みも少しあったもののもう1年以上、この本を読んでいることになる。やっと先週、第7章まで皆で読み進めた。

音読で皆で読むことで

キリのいいところまで順番に音読し、読み終えたところを皆で考察する(と言うと少し大袈裟だろうか?)というような進め方で読んでいる。さらっと読める本ではなく、よく立ち止まりながら、みんなと一緒だから私は諦めずに読み飛ばさずに読むことができるように思う。それでもわかったようなよくわからないところもある。

立ち止まって考える

立ち止まったところを一緒に考えている。その一緒に考えるところがまた面白い。自分がさらっと読んでしまったところに、誰かがそこはどうなんだろう?と声をあげてくれ、はっとして、やっぱりわかってないと思うこともある。そしてまた考える。

2019年9月23日月曜日

(2019/9/23)9月読書会 「ナショナリズムとジェンダー第一回」

 9/21の読書会に新たな参加者

いつもの会場でいつもの時間の読書会だった。
今回のテキストは、8月に”ナショナリズムとジェンダー”と決めていた。
いつものメンバーに一人、初めての参加者が加わっての会だった。
このテキストは、読書会のメンバーの一人があるイベントで出会った留学生がこの本で卒論を書いたという話を聞いて自然に決まった。

ナショナリズムとジェンダー  

読書会では、留学生の彼女の話に全員釘付けだった。
「どうして日本に来ることになったのか?」
「なぜ上野さんの”ナショナリズムとジェンダー”を卒論に選んだのか?」
「日本語はどうやって学んだのか?」・・・

”そもそも日本といえば、子供の頃「カードキャプターさくら」が好きで日本に興味を持ってから日本語も”という話もとても新鮮な驚きだった。

なぜ上野さんの”ナショナリズムとジェンダー”を卒論に?

母国の大学でも「ナショナリズムとジェンダー」について研究していて、4年前に
発表で来日した際に、上野先生の「ナショナリズムとジェンダー」を勧められ卒論で書くことにしたのだったという。

その頃、私たちは皆、実は日本語を母語としない人がこの本を読むことだけでも実はかなり驚いていた。

WAN(women action network)のサイトで

彼女は、この近郊でのfemist 関係の団体やイベントなどをWANのサイトで探していて、たまたま見つけたイベントに出掛け、そのイベントに来ていた読書会のメンバーに出会い、この会に足を運んでくれたということがわかった。それを知り、すっかりサボっていたWANのサイトにこの団体の掲示更新依頼をした。


2012年4月23日月曜日

上野千鶴子を読む会が始まった頃(2012 春)


上野千鶴子を読む会のはじまり

2012年春、この街で開かれた上野千鶴子氏の講演会。その会場で配布された「読書会へのお誘い」がきっかけとなり、この会は始まりました。以来、月に一度の集まりを続け、今年(2025年)で13年目を迎えます。

会の名前

立ち上げ当初に「上野千鶴子を読む会」と考えていました。2012年の講演会でそのことを上野先生にお伝えしたところ、「そんなこと、大丈夫よ」と笑顔で応えてくださったのがとても心強く感じました。

進行について試行錯誤

毎月土曜日の午後2時間ほど、前月の読書会で読むパートを決め、参加者が順番にテキストを読み、解釈や感想を自由に持ち寄るスタイルで始まりました。特定の指導者はおらず、誰かが疑問を投げかけると、それをきっかけに対話が広がり、自然に新しい気づきが生まれていきます。ときには社会問題や日常の課題に話題が及び、世代や背景の異なる参加者どうしの交流から新しい視点が得られるのも魅力です。

この読書会がしばらく試行錯誤の後、参加者が順番に声に出して本を読むという方法を取るようになり今に続いています。音読で読むと不思議なほど言葉の意味が心に沁みてくる体験を重ね、事前に本が読めなくても気軽に参加することができることも知りました。

特に「先生」がいないからこそ、誰もが気兼ねなく自分の言葉で自由に語れるのかもしれません。そして同時にどなたかが丁寧に読み込み深掘りしてくれることも多く、それにより読書の厚みも増しています。

最初の本は「上野先生、勝手に死なれては困ります」

第一回目は、カピオの会議室で、立ち上げた2人にチラシなどで6名が加わりました。最初のテキストは古市憲寿氏との対談『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』でした。参加者の出入りはありますが、そこからの出会いが、今日まで続いています。

こうして公共施設を主な会場にして、毎月の読書と対話を積み重ねてきました。この”本を皆で読む”というシンプルなスタイルで続けてきた読書会が、その後も月一回の土曜日、二時間ほど、参加者で交代しながら主に上野千鶴子の本を読み続けています。

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